✅ 各中央銀行の決定とスタンス
Fed(米国)
- Fedは直近会合で 政策金利を0.25%引き下げ、レンジを3.75〜4.00 %としました。
- ただし、その後の声明・コメントでは「今後大きく引き続き下げるとは限らない」という慎重な姿勢が強調されています。
- 要するに、「マイルドな利下げ+将来の利下げには慎重」というメッセージが市場に伝わりました。
ECB(欧州)
- ECBは政策金利を 据え置き。これで3回連続の据え置きとなりました。
- インフレが目標近くに下がってきており、成長も弱めなので、すぐに利下げ・利上げという動きには慎重という印象です。
BoJ(日本)
- BoJも 金利を現行維持(0.5%)。ただし、理事2名が「即時0.75%へ引き上げ」の反対票を投じており、ハト派すぎるわけではないという点が注目されました。
- ただし、「急いで利上げを」という強いメッセージは出ておらず、むしろ「条件が揃えば」という慎重な姿勢。これが市場では「日銀はゆっくり正常化するだろう」という見方を強めています。
📉 米国株式市場の状況
- 上記のような政策スタンスを背景に、米国株式市場では ドルの強さや 金利低下期待の後退が意識され、調整または複雑な動きが観察されています。例えば、「ドルの変動性が高まる」との分析があります。
- 利下げをしたから株高、という単純な構図ではなく、むしろ「利下げをしたが次の利下げは遠いかもしれない」「世界的に成長リスクがある」という見方が浮上しており、株価には慎重なムードも。
- また、欧州・日本の中央銀行が据え置きスタンスであったことで、グローバルにみた金融政策の “一貫した緩和” という期待が薄れたため、リスク資産(株式)にはプラス材料と捉えにくい展開になっています。
💴 ドル/円(USD/JPY)の分析
現状値
- USD/JPYは 約154円付近で推移しています。
- 過去30日では「147~153円台」がレンジとなっており、現状上レンジに近い水準と言えます。
為替に影響を与えている主な要因
- 日米金利差:米国金利は4%近辺、日銀は0.5%維持。金利差が大きく、円が相対的に弱くなりやすい構図。
- 日銀の慎重スタンス:日銀が即利上げに踏み切っていないため、円買い材料が乏しく、円安傾向に。
- ドルの値動き:ドルの基調が強く、ECBや日銀の据え置きがドル優位感を支えた面あり。
- イベント・地政学リスクや貿易協議:例えば米中協議・貿易の動きも背景に。円は安全資産として買われる場面もあるが、現状その役割が薄れている印象。
今後の注目ポイント
- 日銀が利上げに踏み切るかどうか、特に「先行きの賃金上昇・物価上昇」がどの程度出るか。これが円の戻り・反転の鍵。
- 米国の次回利下げのタイミング。もし利下げが先送りになるようだと、ドルが更に強含む可能性。
- ドル/円の目安として、先述の「147円付近」が中期的な押し目の候補との予想も出てきています。
- 為替レンジとしては、「150~155円」が当面意識される水準で、155円超えが上抜けできるか否かが重要。
🧮 整理
整理すると以下の通りです:
- Fedの利下げ&次の利下げへの慎重スタンス → 米ドルに一定の強さ。
- ECB据え置き&日銀据え置き → ユーロ・円がドルに対して弱含み。
- 結果、ドル/円は 円安(ドル高・円安) の方向が強まっており、約154円という水準で推移中。
- 株式市場はドルの強さと金利動向、中心銀行のメッセージを慎重に見ながら反応しており、必ずしも「利下げ=株高」という単純図式にはなっていません。
- 今後、円ベースでの為替管理をしている事業者・輸出入企業・投資家としては、円安進行リスクを意識したポジション構築が必要でしょう。
いずれも折り込み済みで大きな変化はありませんでした。ただパウエル議長が12月FOMCでの利下げは簡単にはいかないとの発言があり、消極姿勢が強まったような状況です。今日現在CMEFedWatch12月0.25%利下げ予想は74.7%になっています。
